月面撮影(for トカラ日食)
(本記事は、トカラ皆既日食に出かける方々へ掲げます)
6月1日の晩は、すっきりとよく晴れた。上弦を過ぎた月齢8の月が見えており、久しぶりに月面撮影。
今回は屈折望遠鏡2本を使っての直焦点撮影をした。
↓かいつまんで言いたいことはこれ↓
【皆既日食の撮影は、月の撮影が役立つ】
・内部コロナの明るさは満月とほぼ同じ。
・月が太陽をぴったり隠す現象だから、日食時にどの程度の大きさで写るか分かる。
・満月でない月も撮影しておくと良い。露光速度の加減がおおよそつかめる。
FC60屈折直焦点↓by KissDX
【カメラレンズを使うならズームよりは単焦点レンズがお勧め】
・レンズ枚数が多いと、コーティング技術が進歩していても、フレアゴースト等で鮮明度が落ちる。
・広角~標準レンズを使って日食の多重露光撮影という方法がある。
(数分~10分に1コマ程度でよいので、待ち時間は眼視観察に集中できる)
PENTAX105EDHF直焦点↓by KissDX
【望遠レンズよりは望遠鏡直焦点撮影がお勧め】
・屈折式望遠鏡がお勧め。(反射式はコントラストの面で不利)
・望遠レンズは屈折望遠鏡よりもレンズ枚数が多いので不利、価格も高い。
FC60屈折直焦点↓by E410
PENTAX105EDHF直焦点↓by E410
皆既時間が6分間とはいえ、実際にはとても短く感じることであろう。
だから、(老婆心ながら)機材の準備だけでなく、この6分間に集中し
失敗しないための練習を十分積んでおくことをお勧めする。
KissDXは、35mm版換算で約1.6倍になるのでfl=500mmだとfl=800mm相当、700mmだと1000mm超となる。
fl=500mm(800mm)は、外部コロナを撮影するのに都合がよいと思う。300mm(fl=480mm)程度でもよいと思う。
明るい内部コロナは、太陽のすぐ外縁にあるおびただしい数の流線(スジ)で、髪の毛のように見える。
これ(内部コロナ)を撮るには、さらに長焦点がよいと思う。fl=700mm(1000mm)以上?
また、フォーサーズ規格(オリンパス等)の場合は、35mm版換算は2倍で拡大率が高いので、さほど長焦点でなくても済む。殆どの人は旅先での観察であるから、小ぶりの機材で済むことになるのは有り難い。
口径6cm屈折赤道儀(FC60)>#携行性を考えるとこの程度が限界かも。
望遠鏡1台カメラ1台という場合は、赤道儀でなくても構わないと思う。(大きめのカメラ三脚で代用可能)
同、星座線入り
PENTAX105EDHF屈折望遠鏡とEM-10赤道儀
殆どの人は旅先での観察となるため、このクラスの機材を携行するのは厳しいと思われる。
画像では大差ないが、口径6cmクラスの小型屈折望遠鏡が手頃であろうと思われる。
できれば、眼視観察専用に口径5,6cm40倍前後の屈折望遠鏡を準備されることをお勧めする。
内部コロナの無数の流線が髪の毛のように伸びているのが観察できる。イチオシです。
眼視用には、双眼鏡を準備される人が多いと思う。
↑外部コロナ観察にちょうど良いが、内部コロナ観察には倍率が足りない。
写真撮影を捨てて(他の人に任せて)、もうちょっと大きめの望遠鏡での眼視観察に重点を置くのもいいと思う。
いずれにせよ、眼視観察は皆既中しかできない。くれぐれも皆既でない時間帯に誤って望遠鏡を覗かぬように注意したい。(文字通り「目玉焼き」=失明の恐れがあります)
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