3割増に騙されないで
今宵は、今年で一番地球に満月が接近する日(スーパームーン※)だという。
↓昨年は、9月28日晩の満月が地球に近かった↓2015.9.28月齢15.2↓
※より大きく感じたいなら、目の錯覚で大きく感じる頃=地上景色に近い頃=月が上り始める夕方が良いかも知れない。/実際には20時台が最接近らしいが比べるものが近くに無い=月出、月没時よりも小さく感じる。
比較には同じ望遠鏡&カメラで撮れば良いが、同年最遠の満月は手元に無いので同年8月2日の月齢17.6を比較対象に使った。満月同士の比較ではないが、確かに右側が大きいことは分かる。
月は楕円軌道で地球の周りを公転しているので両者の距離は一定ではなく一番近づく所(約35万km余)を近地点、一番離れた所(約40万km余)を遠地点という。つまり、近地点と遠地点の差は5万kmにもなるということだ。月の公転周期は約1か月(約29.5日)で毎回必ず近地点と遠地点を通る(単純に考えて1年に12回)。
★で、たまたま満月が近地点近くにいる時で、なおかつ、その年で満月が一番地球に近い時を「スーパームーン」と、近年(1979年)占星術師のRichard Nolleが定義したことから使われ出したようだ。つまり、※語源は天文学とは無関係。★
今回は68年ぶり!3割増し!と騒がれているが騙されてはいけない。実際には、近地点と遠地点との差が5万kmにも及ぶことによる見かけの違い(これが3割増しの根拠)がずっと顕著であり、(遠地点ではない)通常の満月との違いが3割増しということではない。/なお、国立天文台・暦計算室「月の公転」によれば、スーパームーンの周期は14朔望月で、昨年9月・今年11月と符合する。
【データ】2015年9月28日20時34分(1/200秒×16枚コンポジット)/オリンパスE-30(ISO400,JPG)/長光60MAXI屈折(fl=1200mm)直焦点/NJP赤道儀@自宅星見台HANA
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